こんにちは、株式会社ラフティーです!
今回は、Web広告/リスティング広告の運用者はどのようなスキルが求められ、どのように対応していくのか、今後のWeb広告の運用について悩む運用者も増えてきたと思います。広告運用者として生き抜くために必要なスキルを考えていきたいと思います。
Web広告において、自動化や機械学習がますます重要な役割を果たしていることは、周知の事実です。Googleをはじめ、最も普及している広告プラットフォームでは、入札最適化や広告配信などのプロセスを自動化する機能だけでなく、「スマート」なプロダクトのように、AIを中心にしたソリューションも増加してきていることから、広告運用者が手動で管理・最適化を行う余地が以前よりも少なくなりました。
特に知識がなくても、広告を出稿でき、「いい感じ」に媒体社がやってくれる日が迫っています。ですが、ただ広告を出稿しても意味がありません。そこで必要なのが広告運用者です!その運用者が管理画面の運用だけしていても、クライアントに選ばれない、他社に劣っていくことは明確です。
本題ですが、運用者は運用以外の面の力が必要です。私が特に必要と感じる力をいご紹介します。
『人』にしかできないことがある
自動化が進んでいく一方で、コンバージョン計測、ターゲティング精度が曖昧になってくることを想像すると、不安もあると思います。特に、Web広告において広告プラットフォームの管理画面を操縦席、運転席のように意識しているケースなら尚更です。「AI」の存在がその領域に膨張してきているとすれば「人間」である広告運用者にはいったい何ができるか、疑問を持つと思います。
はっきりしていることは、今まで自由自在に扱うことのできたデータやそれに基づく便利な機能が戻ってくることはないに等しいということです。しかし、どんな種類の広告でも「見ているのは人間である」ということに変わりはありません。
仮に、ターゲティングの微調整や最適化をAIが行うとしても、「広告を通じて、人間の心を動かしていく」という広告の本来の役割は何一つ変わりません。むしろ設定面がアルゴリズムに支配されているからこそ、クリエイティブが大きなウェイトを占める時代になっていく可能性が高いということだと思います。クリエイティブこそが人間がAIに勝る分野の1つであると思います。
広告運用者にとっては、今後いかにアルゴリズムを理解したうえで人の心に訴えることのできるクリエイティブを作れるかが大事なテーマになると考えられます。この見解自体は新しいという訳ではありませんが、プラットフォームとデータの進化によって、人間が作るクリエイティブの価値を見出していくチャンスだと捉えても良さそうです。
例えば、BtoBの検索広告のタイトルに「法人向け」と追記する小さな工夫は、一見、クリック率は下がりそうで、AIだとあまりいい広告と評価しないかもしれないのですが、あえて追記したことによってクリック率が低くてもメッセージをより確度の高い「法人」に絞ることができ、ノイズをカットすることができますよね。
このような文脈の判断まではAIだとまだ想像できないですし、そこを見出していくのは人の能力だと思います。
広告運用者に求められる3つの力!
広告の運用ができる、数字に強い、提案できるは割と当たり前な力です。クライアントは更に多く、深く頼れる運用者を求めていると思います。そんなクライアントが求めている3つの力が下記です。
下記の3つは「今後」に限らず、既に大きな価値を持つスキルです。将来的には広告運用者が一流か平凡かが差別化されていく重要な要素になると思います。
コンサルティング力
管理画面の数値を把握し改善することを大切ですが、それだけでクライアントが満足しますでしょうか?売上は上がるでしょうか?
むしろ、画面上で語られても売上が上がってなければ意味がないと判断されてしますケースも多々あると思います。広告運用者に求めれているのは運用力だけではありません。いかに、管理画面の数値はもちろん、管理画面外の数値まで把握して広告をどのように活かすかまで求められています。
広告代理店や運用者の領域外と言う人もいるでしょう。
だからこそ、重宝される人材であると思えます。
運用者を「コンサルタント」や「プランナー」と呼ぶ代理店も多いように本当にそのスキルがなければ、AIが運用してる管理画面を確認する「作業者」になります。広告数値、実数値まで分析し、それを改善するための提案が必要です。
想像力・妄想力
顧客の持っている潜在的ニーズや課題について考えられるだけでなく、ビジネスが顧客のために何ができるか、どうなったらどうなんるのかまでを想像していくことを意味しています。
例えば、なぜその商品が選ばれるのか、なぜ選ばれないのかを始め、しっかりとした仮説を立てられることができ、自分がもしユーザーだったら何を商品やサービスに期待するかまで想像した上で言語化できるとしたら、理想的な顧客コミュニケーションへの貴重な手がかりとなります。このスキルがまず必要不可欠だと言えます。
中小企業を担当している運用者はクライアントの中の「経営幹部」として意識が必要です。言われたことをやっていても効果があるとは言えません。自分なりに考え、発言、提案することがクライアントにも自分のためになると考えています。
クリエイティビティ
これは特に、得意、不得意が分かれますよね。
複雑な知識を1つの簡潔なメッセージに変換するスキルもとても大切です。漠然としたユーザーの気持ちや悩みをいかにして形にし、それを視覚的、言語的に訴求できるかということです。一度挑戦して失敗したとしても、なぜ失敗したのかを考え、再度挑戦し、より良い答えを探していくことは、広告運用者にとってこれまで以上に大切になると思います。
まとめ
仮に、広告のパフォーマンスデータが全く見えなくなったとしても、広告の掲載をやめますか?
恐らく、答えは「いいえ」だと思います。
ビジネスを拡大するために特定の広告チャネルを使用するという戦略的な決定は、「トラッキングが非常に正確に機能している」などという事実に基づくものではありません。宣伝したい製品やサービスに対して最もニーズのあるユーザーがどのメディアに集中していて、メディアの中でどのように活動しているかによって決められます。もし、数字やデータが見えないのであれば出稿を取りやめるような広告手法については、その意義を再考してみてもよさそうですね。
各種広告管理画面の機能をマスターすることは、広告運用者にとって大前提なスキルではありますが、そこだけに頼り過ぎずビジネスとその顧客になり得るユーザーのことを深く理解しようとする姿勢、仮説をクリエイティブに落とし込めるか否かは、成功を左右する要素になると思います。
結局のところ、どこまで進化を続けたとしても、AIはAIです。ただ、そのAIを使いこなすことができるのは人間です。いかに与えられたAIを合理的に使いこなしていくかを考えていくことも人間のクリエイティブなのかもしれません。かつては、広告管理画面に貼りつくだけでもある程度うまくいった時代もありましたが、今後のハイテク戦国時代を生き抜いていくためには人間が上手くAIを使いこなす必要があると言えそうです。