こんにちは、株式会社ラフティーです!
本日は近年のハイテク戦国時代の中でWeb広告/リスティング広告の運用者はどのようなスキルが求められ、どのように対応していくのか、今後のWeb広告の運用について悩む運用者も増えてきたと思います。そんなハイテク戦国時代を広告運用者として生き抜くために必要なスキルを考えていきたいと思います。
Web広告において、自動化や機械学習がますます重要な役割を果たしていることは、周知の事実です。Googleをはじめ、最も普及している広告プラットフォームでは、入札最適化や広告配信などのプロセスを自動化する機能だけでなく、「スマート」なプロダクトのように、AIを中心にしたソリューションも増加してきていることから、広告運用者が手動で管理・最適化を行う余地が以前よりも少なくなりました。それと同時に、インターネット上の「プライバシー保護」を背景に、ユーザーデータが企業・ウェブサイトから取得可能かという枠組みの条件が大きく変わってきています。ユーザーが自分のデータと利用をコントロールできるようになるりましたが、広告はプラットフォームのデータの質と量が低下する可能性が高いと思います。
つまり広告運用者は、自動化や機械学習がますます主流となる中、最適化の「要」となるデータへの依存度は高まっていますが、その肝心のデータ周りの弱体化が起こっています。今後はWeb広告の運用業務にも大きな影響を与える可能性があると思います。
スキルをお伝えする前に、そもそも何が変化して影響しているのかを把握しましょう!
データの『質』へ変化
そもそも、データの質が低下しているとは具体的にどのようなことでしょうか?漠然としたイメージは持っていても、結局何がどう変わったのかピンと来ない方もいると思います。運用型広告関連のデータ状況が最近どのように変化したのか、重要な出来事をいくつか紹介します。
ITPについて
Appleは、データ保護の観点から、ITP(intelligent Tracking Prevention)というトラッキング防止機能が追加され、デバイスIDの利用をユーザーが制御できるApp Tracking Transparency(ATT)が導入されたことが話題になりました。ちょっと難しいですね…ようは、Web広告においてユーザー行動の追跡に必要なデータを取得できるのは、ユーザーがアプリへの共有に同意した場合のみになったんです。最近CMが流れていましたね。日本では、スマートフォントユーザーの約6割がiPhoneを使用しているため、特に大きな影響が出ると思われます。
サードパーティークッキーの廃止
2023年半ばごろから、Chromeブラウザはサードパーティーのクッキーをブロックする仕様になる予定です。スケジュールは2022年から延期となったものの、サードパーティーCookieのサポートの終了自体はほぼ確定だと思います。
それによってコンバージョン測定から、リマーケティングや興味関心などのユーザーのCookie情報に紐づいたターゲティングまで、複数の機能に影響があると思われます。 クッキーレス化に適応すべく、これらの従来の技術をどうやって代替していくかというのは、広告プラットフォームにとって大きな課題です。今のところほとんどのプラットフォームは対策を発表していない状況です。唯一Googleが先駆者として代替案のFLoCという技術を開発しテストを行っています。FLoCとはFederated Learning of Cohortsの略で、ユーザーを行動に基づいて「コホート」に分類し、それらをChromeブラウザに直接保存する技術です。これも難しい…ユーザーがとあるサイトを訪れた際に、そのユーザーがどのコホートに所属しているか取得することができ、ユーザーが同意した場合に限りますがターゲティングにも活用できるようになります。現時点では精度・粒度はリマーケティングや他の既存のターゲティングカテゴリーに劣っているとのことです。
参考: Google Developers Japan: FLoC の概要
参考: An updated timeline for Privacy Sandbox milestones
プラットフォーム自体からのデータが制限される
プラットフォーム自体も閲覧可能なデータを制限していることです。Google広告で閲覧可能な検索データをプライバシー保護の観点から制限する仕様変更は、ここ数ヶ月話題になっています。広告表示削減幅は比較的大きく、検索広告の予算の約20%前後を占める配信分では、どの検索語句によるものか追跡することが難しくなっていました。広告プラットフォームのブラックボックス化が進んでいることは、広告運用者が今後対応していかなければならない状況の一つです。
まとめ
一旦、まとめます!
上記のようなデータの質へ変化をもたらした影響は大きく、今度は更に変化があるかもしれません。広告運用者にはどのようなスキルや思考回路が必要になってくるのかを本題を後編でまとめていきたいと思います!